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パワハラ問題派遣社員の多い職場でのパワハラ対策

こちらのアーカイブは、職場のパワハラ問題、パワハラをしないために、招かないためにできることなど、簡単な解説を掲載しています。職場でのパワハラ防止研修や職場でのパワハラ対策啓発の資料として、出典を明記の上、ご活用ください。
(出典記載例:株式会社クオレ・シー・キューブホームページ)

派遣社員の多い職場でのパワハラ対策
~役割明確に、居場所を保障~

派遣社員、契約社員、パートタイマーなど職場に非正規社員が増加するとともに、ハラスメントが増えています。当社の相談窓口にも先輩からのハラスメントに悩み、仕事を辞めた、眠れない日々が続くと訴える非正規社員たちの相談が相次いでいます。

派遣社員の先輩が『あなたは仕事がノロイ』と毎日のようにしかり、『できが悪い人はやめさせて欲しい』と上司に訴えていることを悩むAさん。会社が合併したので知らない商品について教えてほしいと頼むが『自分で勉強すれば』といって何も教えてくれない、と悩む保険会社の契約社員として働くBさん。これらは決して珍しい話ではありません。

「人はなぜハラスメントするのか」――。その一つの答えが「自分自身を守るため」というのがあると思います。一般に正社員は会社に勤め続けられる、いつかは管理職になれるという暗黙の了解をもっています。このように昇進・昇格を目指す道があれば、日ごろから上級職に求められるスキルを磨かなければならならないし、そのためには今の仕事を後輩の誰かに引き渡していかなければなりません。

しかし、非正規社員、特に派遣社員は指示された仕事、契約内の仕事をこなすことが求められています。昇進という出口のない枠の中で働いている人たちには、新しく組織に入ってくる人は、自分の仕事を奪い、その立場を揺るがすような脅威をもたらす存在であると感じることでしょう。

そのため新たな侵入者を排除するような行動をとるのは当然のことかもしれません。派遣社員に限ったことではなく、「いつ自分の居場所がなくなるかもしれない」とハラハラしている正社員の間でも良く起こることです。

組織に新たに人が入ってくる時には組織には混乱が起き、不安が生じます。管理者は部下が感じるであろう不安を想定し、役割分担を明確にすることで、それぞれの居場所を保証しておくことが大切です。「自分の名前ではなく派遣会社名で呼ばれることが悲しい」と嘆いた人がいます。一人の人として相手の存在を認めなければならないのは、どのような雇用形態でも同じことです。

人材不足が続く中、企業は雇用形態の見直しと待遇改善を進め、より良い人材を長期に確保しようと方向転換しつつあります。働く人も現状維持ではなく更なる能力向上を図ることでチャンスは倍増することでしょう。その日のためにも「ワンランク上の仕事には人間関係も大事」「どこでも通用するプロの仕事を」とアドバイスしてはいかがでしょうか。

(株)クオレ・シー・キューブ 岡田 康子(2008)

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