ハラスメント防止研修実施のコツ
- Q研修の実施にあたって、最低限必要な情報はどのような内容でしょうか。セクハラ(セクシャルハラスメント)とパワハラ(パワーハラスメント)を両方実施したいと考えています。
- A2020年6月にハラスメント関連法が整備されたこともあり、セクハラとパワハラの防止研修を『ハラスメント防止研修』として実施しやすくなりました。とはいえ、短時間(1時間以内)で実施するとなると、必要な内容を網羅するのは困難です。
根拠法の理解はもとより、会社の実態報告や防止措置の取り組み状況の説明、最新のハラスメント問題の記事や判例の紹介、相談窓口の体制の説明やプライバシー保護に関する告知など、研修で伝えなければならない項目はたくさんあります。それに加えて、「もう十分理解している」「自分はハラスメント行為はやらない」と思っている人にも、自分の行動を振り返って、ハラスメントの加害者になっていないか、考える時間が必要です。そのためには演習なども交えて、受講生の理解が深まるような工夫は必須となるため、しっかりとした理解を促すためのハラスメント防止研修を実施するには、2時間程度の時間を確保するとよいでしょう。特に、zoomやTeams等を使ったオンライン研修を実施する際は、講義よりも演習の時間を増やすと効果的です。
また、パワハラ防止研修をする際は、「厳しい指導=パワハラ」ではないということを、演習を通じて実感してもらう必要があります。「〇〇はパワハラになるからダメと教わっても、実際には厳しく言わないと仕事が進まないのでは」という受講生の意見を汲み取りつつ、演習を通じて『ダメなことはダメとしっかりと指導すること』を示し、行動レベルでどうしたらよいかのヒントを提示するなど、実践的な内容を盛り込みましょう。
どうしても時間が取れない場合には、その中から最も伝えたいメッセージを抜粋することになりますが、そのポイントは研修の主旨やハラスメント対策の進捗状況、対象者によっても異なります。例えば1時間で実施する場合には、経営陣にはハラスメント対策の経営効果を、管理職には具体的な部下指導やコミュニケーションのポイント理解を、一般社員や非正規従業員にはハラスメントを受けた際の対応を中心に実施するとよいでしょう。
弊社では、短時間でもハラスメント全般への理解を促す動画教材もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
(2021年)
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