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ハラスメント相談の現場からVol.4 部下との会話、手抜きしていませんか?
Vol.4 部下との会話、手抜きしていませんか?
いよいよ猛暑本番。外出時も木陰に涼を求め、水分補給が欠かせません。また、一天にわかにかき曇り、バケツをひっくり返したようなスコールに見舞われる日もあります。空の向こうが見えてこない、いつ変わってしまうかもしれない予測のつかない不安は、私たちにとって大きなストレスになります。
社会人生活の中でも同様の不安を抱えることがあります。「会社の方針がわからない」、「上司が代わるとやり方もガラッと変わり、ついていけない」、「異動が多くて落ち着かない」、「業務分担が不明確」など、私どもの相談窓口にも不透明さに対する不満や不安の声がしばしば寄せられます。多くの場合、上司と部下のコミュニケーション不足が原因のようです。
最近、某社営業部Y氏の頭を悩ませているのは、「新しく着任した部長は『今、忙しい』、『時間がない』、『自分で考えろ』が口癖。何の説明もなく放置され、自分なりに一生懸命考えて資料を作成しても、『こんなもん使えるか!』と突き返される。いったいどうすりゃいいんだ?」。また、企画部X氏の悩みは、「リーダーは大切な情報を教えてくれず、聞いても『言われたことをやっていりゃいいんだ』の一点張り。業務全体の概要が見えないからモチベーションも上がらない」。年齢や社歴、雇用形態はさまざまであっても、組織の一員として持てる力を最大限発揮し、組織へ貢献するとともに自己実現することが、長期的にやり甲斐へつながることに変わりありません。
上司の大切な役割の一つは、期待や情報を部下にわかりやすく伝える社内の“水先案内人”であることです。もちろん、すべてが必ずしも盛夏の青空のごとくクリアであるとはかぎりません。めまぐるしい社会変動の中で事業を展開していると組織も変化します。会社が今後どういう方向性を目指し、どのような舵取りをするのか“考え中”の時期もあるでしょう。“目下『考え中』であること”、“この先スコールがあるかもしれないこと”、これらも重要な情報であり、明確に伝えて今後に備えるよう促すことは、欠かすことのできないコミュニケーションなのです。
(株)クオレ・シー・キューブ 志村 翠 (2015.06)
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