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ハラスメント相談の現場からVol.26 我がフリを見て何を想う
Vol.26 我がフリを見て何を想う
「一日に何回くらい鏡を見ていますか? 性差、年齢差、環境の違いなどに左右されるでしょうし、頻度だけではなく鏡を見る目的も人それぞれ異なるでしょう。
コミュニケーション研修で話題になるのが、非言語的コミュニケーション*です。たとえば、一対一で話す時、目線を合わさず逸らしてしまう人、逆にジーッと凝視する人がいます。同じ内容の話をしたとしても、相手への伝わり方、相手の受け止め方は同じではありません。研修の場でなぜ話題に取り上げられるのかというと、意外にもこのことに気づいていない人が多いからです。何より、自分が今どういう姿勢やしぐさ、口調で話しているのかに注意を払うことすらないのではないか、ということにハッとさせられます。最近の便利なツールを使い、動画で撮った姿を再生して見せると、たいていの人は驚きます。我が姿を見て、「顔が怖い!」、「ふんぞり返って偉そう」、「落ち着きがないなぁ…」など感想が次々出てきます。我がフリを一見するだけで、どれだけ多くの情報が得られ、即、改善につなげることができるか。想像をはるかに超えた効果が期待できます。
ところで、パワハラ(パワーハラスメント)の“行為者”とされた人たちが異口同音、口にするのは「(訴えられた自分の言動について)若い頃、同じようなことを上司にされた(言われた)」、「当時は辛かったが、今となってはあの時の上司に感謝している」、です。これらの人たちは、以前上司から受けた “教育” を是とし、そのやり方をモデルにして部下教育を行っていると言うのです。「良かれと信じて」やった部下対応がイエローカードやレッドカードにつながるとは、なんとも不幸としか言いようがありません。
人のフリ見て我がフリ直すのは思いのほか容易ではなく、我がフリを見て我がフリを直す近道がある、ということを是非、心に留めおき下さい。
※視線、座り方・腕や脚の位置などの姿勢やため息・舌打ちなどの何気ないしぐさ(癖)から醸し出されるメッセージ
(株)クオレ・シー・キューブ 志村 翠 (2017.04)
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